株式会社トシダ
創業100年を迎えて

1ビル建設中の為仮店舗。目の前は市電が通っていた

70年前の店舗

 100年間の出会いに感謝、「温故知新」、そして未来へ

2023年7月18日

お陰様で弊社は今年創立100周年を迎えます。
これまでにご縁を頂いたお客様を始め、取引先問屋メーカー、金融機関、関係士業の皆様方に深く感謝致します。
時は1929年(大正12年11月20開業)、世界大恐慌、ウオール街没、そして日本は関東大震災に見まわれた年、創業者土志田好一(明治28年2月17日生れ 現社長の祖父)が屋号「日一堂」という文具・書籍販売の店を開業。
木造2階建て、典型的な地域密着型の店舗であり学校や諸官庁へは徒歩・荷車で納品を始めました。

初代社長夫婦
故2代目社長と営業車
日一堂

1950年、昭和23年に資本金30万、社名を(株)土志田書籍・文具店と改名し法人格となりました。
祖父は3人の娘を持ち、次女の文子(現社長亡き母)と縁を持った昌通(現社長亡き父)が養子に入りました。
本来は医師志望であったそうですが商人となり、先代からはソロバンで頭をたたかれ厳しく教え込まれ、後に4人の子を持つ2代目社長候補となりました。

右が次女文子
(株)トシダとなる
5玉ソロバンと黒電話

1958年に横浜市役所が関内駅前に落成、1961年、創業者好一死去に伴い昌通が代表取締役となります。
因みに現社長は祖父の生まれ変わりでこの翌年に誕生しています。両親は社員数名と共に昼夜働き、大型印刷機を導入し文具・書籍以外の柱にもしていたそうで、外商では今は無きPANAMERICAN航空やFORD自動車、日産自動車などにも納品をしていました。当時小学生だった私は、羽田空港で海外向けの文具や新聞・雑誌の納品立ち合いをするのが楽しみでした。
努力の甲斐あって1969年、木造2階建ての店舗兼住宅を6階建の店舗兼貸しビルとして竣工、初代から受け継いだ稼業を戦前・戦後、オイルショック、バブル、金融危機、そしてリーマンショックと大きな試練に耐えながら横浜市の発展と共に歩んでまいりました。

2代目夫婦
ビル竣工式での現社長
4人兄弟 ※右下現社長
パンナムの名入りペン

1986年に私が入社、当時は社員3名、パートさん3名であり、両親と共に土日も店舗と外商を営でいました。
2年後に現1ビル隣地30坪をバブル最高値で購入せざるをえなかったのですが、後に外商の強化には大きく役立つ場所となりました。
新規顧客獲得の為、飛び込み営業の毎日、「苦労は買ってでもしろ、寝る間を惜しんで働け」が先代の教えでありました。自分で配送しきれず配送員を雇うようになり、営業や事務員も増やし現在の仕組みの一歩を切り開きました。

入社した頃の事務所
1969年完成の1ビル
高価な隣地、現倉庫
平成3年社員旅行

1990年代に黒船来襲と言われた外資の大型文具店の進出、そして文具通販ビジネス、更にZ世代と言われる携帯電話の普及からソリューションビジネスへと時代は変化してきました。
経営理念を新たに作成した中に「変化に対応すべき会社経営と人材育成」を信条とし、店頭販売はやむなく閉鎖しても外商を強化し、建設業許可も取得しました。そしてソリューション環境、DX支援含めワンストップで受注をできる仕組みを作り上げることができました。幸いにも人材と取引業者に恵まれ、横浜市役所・病院の移転ビジネスや官民企業様のオフィス環境作りを提供し続けて参りました。

新ビル建設予定地
新ビル建設中
新旧2棟のビル外観 / 2022年11月完成
kOKUYOのオフィス家具
OA機器のサービスメニュー
印刷物のサービスメニュー
OKAMURAのオフィスチェア

2018,2019年に2代目両親は他界しましたが、生前からの願いであった社屋の建て替え・移転を計画し、今まで借りていた駐車場用地90坪を取得、更に2022年11月、創業100年を迎える新たなスタートと後継者を含めた組織の再編成、私の還暦となる節目も重なったことで4階建ての新社屋を竣工させました。
周知の通り、コロナ禍の影響で世界的な経済疲弊に陥ってしまった3年間でしたが、急速な働き方改革、今後のオフィスの在り方に大きな改革を余儀なくされました。この逆風に打ち勝つ為に、商材を提案する社員自らが未来のオフィス環境で働き、体感し、ある時にはメーカーショールームの一歩手前で弊社のオフィスを見て頂ける事が提案力の強化に繋がると確信し、今後も新社屋を地域社会に広く活用してもらいたいと願っています。

大きな節目を迎えた100年、そして次への100年、多くの方々に出会いに、そして支えて頂いたことに深く感謝します。
本来ならば盛大に式典などを催せたらなどと考えてしまいますが、まだ先の見えない景況感を鑑み心静かに過分な式などを自粛しました。
今後はSDGsの取り組み評価も検討し、社員と共に歴史を振り返り、新たな開拓を目指す企業として、笑顔溢れる会社作りと地域社会に貢献していくことをお約束いたします。

代表取締役 土志田 仁